レッズ&ドライブ

2006年11月18日 豊田スタジアム Jリーグ第31節 名古屋グランパスエイト戦

「父」がレポートした豊田の乱


今回のリポーター
(左から)田辺さん、母、川合店長、
ばーば、岡くん、私

参加メンバー

草野祥三(62歳) 私 さいたま市在住 フリー編集者

老若男女30人を超すサポチームの最年長者のため「お父さん」「父」と呼ばれている。娘・息子が少年サッカークラブに入ったことからサッカーに興味を持ち始め、Jリーグ開幕とともにレッズサポに。

草野 恵(58歳) 妻

パートでチケット代と遠征費を稼ぐしっかり者。夫をしのぐ熱烈なレッズサポで、今年も“婦唱夫随”で、エコパ、甲府、京都などへ応援バスツアーで参戦。「お母さん」「母」と呼ばれている。夫婦で仲間入りして5年目。

東冨代子(55歳) さいたま市在住 主婦

こちらもパートで小遣いとチケット代・遠征費をまかなっている。恵とは子ども同士が高校の同級生という縁。高校サッカーの応援で親しくなり、仲間に。永井の大ファンでもあり、「ばーば永井」、もしくは単に「ばーば」と呼ばれている。

田辺欽也(46歳) 埼玉県飯能市在住 学習塾主宰 独身

仲間の古参で中核的存在の一人。長身痩躯にグラサン姿からはとても塾教師とは思えないが、グラサンの下に隠された目は優しく大の子ども好き。地元の祭り関係を仕切る世話人でもある。

岡 陽章(25歳) 埼玉県川口市在住 スポーツジムのインストラクター 独身

滋賀県から鈍行乗り継ぎで参戦していたが、駒場でのテント張り時代に田辺さんらと知り合い仲間に。この春、宿願の埼玉移住を敢行。普段は笑顔を絶やさない好青年だが、試合中は“戦士”に豹変。

「私ども夫婦を含む5人ともJリーグ開幕以来のレッズサポ。60歳代男性1人、50歳代女性2人、40歳代・20歳代男性各1人で、それぞれが自由席のシーチケホルダーであり、前日抽選に参加し、いつもゴール裏で応援している熱きサポーターたちだ。

アウェーにはなかなか一緒に行けないが、この機会にぜひ“遠征ドライブ レポーター”として豊田に乗り込み、ホームと同じようにゴール裏で声を張り上げ、14年目にしてようやく手が届きそうになった悲願のリーグ優勝を後押ししたい。」この“熱き想い”が選者の目に止まってくれたのか、ガラガラポンで選ばれたのか、ともかく3回目の応募でやっと念願かなって、「グランディス」(ん? グランパスと1字違いだぞ……ま、いいか)で豊田に乗り込むことになった。

11月18日(土)

3:15 出発

田辺さんが飯能市の自宅を出発。われわれを拾い、西川口で岡くんが合流して全員そろったところで記念撮影。よくメンテナンスされたグランディスは、打倒グランパスの熱い想いを乗せて、アクセルを踏み込む父の右足に応え、豊田に向けて勢いよくスタートしたのであった。


5:48 海老名SA

高島平から乗った首都高速は渋滞もなく東名も快調に飛ばし、海老名SAに着いたのは5時48分。ようやく空が白んできた。寒い。熱いお茶をすすりながらこの後の行程の打ち合わせ。「帰りはSAの売店が閉まっているかも」と女性陣は早々とお土産を買う。さすが、遠征慣れしていると感心。



◆◇◆ 富士山が見えると勝てない? ◆◇◆


6:15

運転を田辺さんに替わって海老名SAを出発。父は仮眠を取るために3列目のシートにおこもり。うつらうつらしながら、富士山を雲間に垣間見る。

「富士山が見えると勝てないんだよなあ」と独りぐちる父を、「縁起の悪いこと言わないの」とばーばがたしなめる。まあ、東海方面はレッズにとっては鬼門みたいなもの。いい思い出と言えば95年8月の雨の日本平くらいか。岡野、大柴、田口のゴールで3-2でエスパルスに競り勝った。あのときは後援会のバスツアーで参戦し、クイズで1等になって3人のサイン入り試合球をもらい、いまでも草野家の家宝として玄関に飾ってある。

車中での会話はどうしても昔話がメインになりがちで、田辺さんとは20年の開きがある岡くんに「僕はまだ生まれてないですよ~」と言わせて盛り上がったりして……。

8:45 美合SA

ここで朝食タイム。われわれのスタートが早かったせいか、あるいは遅かったのか、ここまでレッズサポの姿は見かけなかった。女性陣はここでもお土産探し、ぬかりない。

◆◇◆ ここは尾張じゃなくて三河です ◆◇◆


9:45

美合SAを出るといきなりの渋滞。それでも7分程で岡崎料金所を出た。ここからはナビ任せで、愛知中央三菱自動車販売(株)岡崎大樹寺店へ表敬訪問。

店長の川合忠幸さんからソフトドリンクをご馳走になる。

「皆さんで今日は4組目ですよ」と川合店長。われわれの出発が早かったわけではなかったんだ。さっそく、今回の遠征のもう1つの目標である「ひつまぶし」を食べられる店について質問。一昨年の夏、瑞穂に田辺さん、ばーば、父母の4人でマイカーで遠征したとき、帰りに名古屋市内で食べたひつまぶしの味が忘れられなくて、「今度も食べるぞ」を合言葉にしていたほど。ネットでいちおう豊田市内のうなぎやさんのアタリはつけていたが、地元の人に聞くにしかず。ところが川合店長の答えは――

「あれは名古屋のもので、名古屋は尾張、ここ(岡崎)は三河圏なんですよ。三河と言えば八丁味噌ですね。味噌煮込みうどんのおいしい店なら、うちのすぐ近くにありますよ」

そうだったのか。ここは名古屋でも豊田でもなかったのだ。

「そう言えば前のNHK朝ドラの舞台は岡崎で、八丁味噌の蔵元だったわね」と母。さっそく店を教えてもらって、昼食は煮込みうどんに決定!

◆◇◆ 岡崎城公園で必勝祈願 ◆◇◆


10:30

店長に見送られて大樹寺店を出たのが10時15分。ここから豊田スタジアムまで約30分。沼津在住の仲間が朝7時に到着して並んでくれているので、われわれの席の心配はない。

で、昼食には早すぎるってんで、途中で見かけた岡崎城公園に行くことに。岡崎城は徳川家康生誕の地というだけあって、城門も天守閣も立派に再興されている。ちょうど岡崎城文化祭の当日で、女性は赤、男性は青の法被を着た人が多い。どうやら踊りの大会も行われるようで、広場に舞台が組まれている。園内には龍城(たつき)神社があり、七五三のお参りでにぎわっていた。ここで田辺さんがお賽銭を21円あげて、ワシントンの得点とレッズの勝利を祈願。前回、瑞穂に行ったときは、熱田神宮で11円あげて、達也の得点とレッズの勝利を祈願した彼は、祭りの神輿だけでなく縁起を担ぐのも好きなのだ。

◆◇◆ 味噌煮込みで腹ごしらえ ◆◇◆


11:12

ぶらぶらと30分ほど園内を散策したあと、ガソリンスタンドに立ち寄って給油し、「八丁味噌煮込みうどん みずこし」に着いたのが11時10分過ぎ。味噌煮込み(680円:母)、かしわ入り味噌煮込み(810円:父、ばーば)、親子入り味噌煮込み(890円:岡くん)、味噌かつ定食(1260円:田辺さん)と銘々が注文。コクのある辛口の味噌味が四角いうどんによくからんで絶品の味わい。かしわもかむと口の中でとろけるような軟らかさだ。ここでも縁起を担いでカツを食べる田辺さんに一切れもらったが、煮込みとは違って、甘口の味噌味でこれもいける。名物にうまいものあり。川合店長、いい店を紹介していただきありがとうございました。

12:40 豊田スタジアム

さて、腹ごしらえもできた。いよいよ合戦の場へ出陣のときがきた。名鉄・豊田市駅近くの駐車場に愛馬グランディスを残し、豊田大橋を徒歩(かち)渡り、敵の待ちうける吊り天井(吊り屋根)のスタジアムへ着いたのが12時40分。沼津住人が取ってくれていた席はアウェー側ゴール裏2階の前から4列目。傾斜が急で慣れるまで足がすくむ感じだが、ピッチは見やすい。1階席はすでにぎっしり席詰めして臨戦態勢に入っている。開閉式の天井は閉じられていて、声の反響は申し分なさそう。岡くんは1階の様子を見るや否や、上着を脱ぎ捨てTシャツ1枚の格好で下に降りて行った。若いっていいなあ。残るシジュウカラカルテット(40代以上の4人)は底冷えの厳しさに文句を言いつつカイロを取り出して、キックオフを待つ。

14:00 キックオフ

シュート数18-3で0-1……!?

攻め倒していながら得点に結びつかなかったのが無念でした。

◆◇◆ それでも「ひつまぶし」はうまかった ◆◇◆


17:00

悔しさを噛みしめながら人波に流されるまま駐車場に。

「こんなゲーム展開のときは駄目なのよね、と東さんに話しかけたすぐあとに相手に決められて……言うんじゃなかった」と母が悔やむも後の祭り。みんな、気持ちを切り替えて、もう1つの目的「ひつまぶし」を食べに行こうじゃないか!ネットで調べておいた「うな忠」はスタジアムの北東。カーナビに従って、スタジアムの脇を通って行く。「私、もう絶対東海遠征には行かない」とばーばは、ライトアップされたスタジアムをにらみつけながら断言。「電飾、ケチってるなあ」と父。照明が暗くてなんか寒々しい。

うな忠に着いたのは17時ちょうど。座敷にはすでに赤いレプリカを着たレッズサポが一組。おそるべし、レッズサポ! しかし、「お疲れさま」の挨拶も盛り上がらない。さっそく「ひつまぶし」(2,205円)を注文する。出来上がってきた一品は、こんがり焼かれたウナギが細切りにされてご飯の上にたっぷりと乗っている。「一膳めはそのまま、二膳目は薬味をのせて、三膳めはだし汁をかけて、お召し上がりください」というお店の“おすすめ”に従って「いただきま~す!」。

う、うまい、うますぎる! 5人ともひたすら寡黙に食べ続ける。試合に負けたせいばかりではない。話すのも惜しんで味わっていたのだ。食後、一気に盛り上がる。

「このウナギの歯ごたえ! 関東では味わえないね」と田辺さん。
「関東では一度蒸すから、どうしても軟らかくなるのよね」と母。
「ウナギは苦手だけど、ひつまぶしだけは食べられるわ。おいしかった」とばーば。
「ごはんにもたっぷり甘めのタレが染みていて、申し分ないね」と父。
「どお、おいしかった?」と寡黙な岡くんに母が振ると、「ええ、おいしかったです」とニコニコ。

それまでの敗戦のショックからようやく立ち直ったようだ。さあ、これでとどこおりなく目的は達成されたわけだ。あとは無事に埼玉に戻るだけだ。店を出るとき、レッズサポの数はさらに増えていた……。

◆◇◆ ワインディングロードはスキー感覚で ◆◇◆


18:00

うな忠を出て豊田松平から東海環状に乗ったのが18時ちょうど。順調だ。渋滞もなく18時23分には中央高速に入った。ご存じのように中央高速はやたらカーブが多い。恵那峡SAで田辺さんと運転を交替した父は、最初は用心してスピードを控え目にしていたが、すぐにグランディスのコーナリング性能の優秀さに気づいた。スピードを落とさずにカーブに入ってもタイヤが路面に吸い付くように滑らかに走り遠心力で外側に膨らむ感じがしないのだ。また、登り坂でもエンジン音がほとんど変わらないままスピードを維持して行く。実に快適なドライブを満喫させてくれる車だ。

双葉SAで田辺さんと運転を交替するときにその話をすると、かつてスキーにはまっていたと言う田辺さんも気づいていて、「そうなんですよ。スキーの感覚に似てるんですよ」と楽しそう。「この道を行きがけに通ってほしかったなあ」といきなり無理なことを言い出したのはばーばだ。「だって、きっと紅葉がきれいだよ」と。まあ、確かに夜だからわからないが、昼間は見事な紅葉が楽しめたことだろう。しかし、二度と東海遠征には行かないと言ったんだから、ばーばは中央高速の紅葉は一生見られないわけだ……多分ね。

◆◇◆ ありがとう! ◆◇◆


24:20

双葉SAを21時に出たグランディスは快調な走りっぷりで55分に八王子料金所を通過、22時15分には首都高速料金所に入り、30分後に高島平で降り、23時に西川口に着いた。途中から爆睡していた岡くんを降ろし、23時15分、大間木着。父と母が降りた後、田辺さんは途中、ばーばを降ろし、一路飯能へ。24時20分、無事帰宅したとの連絡あり。かくして、われら5人の浦和レッズ応援遠征ドライブ「名古屋グランパスエイト戦」は、めでたく(負けたことは悔しいが)幕を閉じたのであった。

田辺さん、お疲れさま。ばーば、岡くん、母もお疲れさまでした。そして、三菱自動車はじめ、岡崎大樹寺店の皆様、ありがとうございました。そしてそして、快適なドライブを楽しませてくれたグランディスにもありがとう!

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